Veritas InfoScale™ Operations Manager 8.0 ユーザーズガイド
- 第 I 部 スタートガイド
- Veritas InfoScale Operations Manager の導入
- Management Server コンソールの使用
- Veritas InfoScale Operations Manager の使用例
- 例: Veritas InfoScale Operations Manager を使った Cluster Server のトラブルシューティング
- 例: Storage Foundation によって制御されるボリュームの適切なレベルの保護
- 例: ファイアドリルを通じたディザスタリカバリレディネスとサービスグループの可用性の向上
- 例: Veritas InfoScale Operations Manager を使ったストレージの無駄の識別と削減
- 第 II 部 Veritas InfoScale Operations Manager の管理
- ユーザーアクセスの管理
- 障害監視の設定
- を使ったパースペクティブでのルール作成
- パースペクティブのルールの編集
- パースペクティブのルールの削除
- パースペクティブのルールの有効化
- パースペクティブのルールの無効化
- パースペクティブでの障害抑止
- レポートの使用
- 第 III 部 ホストの管理
- 概要
- 管理対象外のホストとクラスタの操作
- 未分類のホストの操作
- File Replicator (VFR) 操作の管理
- ディスクグループおよびディスクの管理
- ディスクグループの作成
- ディスクグループのインポート
- ディスクのディスグループへの追加
- ディスグループでのディスクのサイズ調整
- ディスクグループのディスクの名前の変更
- ディスクグループの分割
- ディスクグループの移動
- ディスクグループの結合
- ディスクの初期化
- ディスクの交換
- ディスクのリカバリ
- ディスクのオンライン化
- ディスク使用状況の設定
- ディスクを退避させる
- トリミングの実行またはスケジュール設定
- ボリュームの管理
- Storage Foundation ボリュームの作成
- ボリュームの削除
- ボリュームの移動
- ボリュームの名前変更
- ボリュームへのミラーの追加
- ボリュームのミラーの削除
- インスタントボリュームスナップショットの作成
- ボリュームの領域最適化スナップショットの作成
- ボリュームのミラーブレークオフスナップショットの作成
- スナップショットの関連付け解除
- スナップショットの再接続
- ボリュームのサイズ調整
- ボリュームのスナップショットからのデータのリストア
- ボリュームのスナップショットの更新
- ボリュームスナップショットの更新スケジュールの設定
- 更新スケジュールへのスナップショットボリュームの追加
- ボリュームスナップショットの更新スケジュールの削除
- ボリュームの使い方の設定
- ボリューム上での FastResync の有効化
- ファイルシステムの管理
- ファイルシステムの作成
- ファイルシステムの断片化の解消
- クラスタ化されていないファイルシステムのホストからのマウント解除
- クラスタ化されていないファイルシステムのホストへのマウント
- クラスタ化されたファイルシステムのマウント解除
- クラスタ化されたファイルシステムのホストへのマウント
- ファイルシステムの再マウント
- ファイルシステムの確認
- ファイルシステムのスナップショットの作成
- ファイルシステムのスナップショットの再マウント
- ファイルシステムのスナップショットのマウント
- ファイルシステムのスナップショットのマウント解除
- ファイルシステムのスナップショットの削除
- ファイルシステムの容量を監視する
- SmartIO の管理
- アプリケーションの IO しきい値の管理
- レプリケーションの管理
- Storage Foundation レプリケーションの設定
- セカンダリへのレプリケーションの一時停止
- セカンダリのレプリケーションの再開
- セカンダリへのレプリケーションの開始
- セカンダリへのレプリケーションの停止
- プライマリの切り替え
- 元のプライマリからのテイクオーバー
- ボリュームの関連付け
- セカンダリの削除
- レプリケーションの監視
- ストレージの利用状況の最適化処理
- 第 IV 部 高可用性およびディザスタリカバリの設定の管理
- 概要
- クラスタの管理
- サービスグループの管理
- サービスグループの作成
- クラスタでのサービスグループのリンク設定
- サービスグループのオンライン化
- サービスグループのオフライン化
- サービスグループの切り替え
- システムの管理
- VSystem の管理
- リソースの管理
- グローバルクラスタ設定の管理
- ファイアドリルの実行
- リカバリ計画の使用
- ApplicationHA の管理
- アプリケーション設定の管理
- マルチサイト管理
- 付録 A. 高可用性操作のリスト
- 第 V 部 データセンターの Storage Foundation HA ライセンスの監視
- パフォーマンスの監視
- Veritas InfoScale Operations Managerパフォーマンスグラフについて
- ビジネスアプリケーションの管理
- makeBE スクリプトについて
- 拡張属性の管理
- ポリシーチェックの管理
- Dynamic Multipathing パスの管理
- CVM クラスタの管理
- Flexible Storage Sharing の管理
- 仮想化環境の監視
- Veritas InfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について
- での Solaris ゾーンの検出について
- Veritas InfoScale Operations Manager での論理ドメインの検出について
- Veritas InfoScale Operations Manager での LPAR と VIO の検出について
- Microsoft Hyper-V 仮想化の検出について
- Web サービス API の使用
- Veritas InfoScale Operations Manager コマンドラインインターフェース
- 付録 B. コマンドファイルリファレンス
- 付録 C. アプリケーション設定の必要条件
名前
xdistc — VRTSsfmh ディストリビュータへのコマンドラインインターフェース
概要
xdistc [オプション] --push localfileremotefile
xdistc [オプション] --run --command arg1arg2..
xdistc [オプション] --push localfileremotefile --run --command arg1arg2..
xdistc --results --id requestid [--wait duration]
説明
xdistc は VRTSsfmh ディストリビュータへのコマンドラインインターフェースです。xdistc を使って、中央管理されたドメイン内のすべての管理対象ホストで、ファイルをコピーしたりコマンドを実行したりできます。これらのタスクは、現在稼働中で利用可能なホストと、タスク開始時に利用不可のホストで実行できます。xdistc を実行するときは、指定されたタスクは xdistc の実行が停止しているときでもバックグラウンドで実行を続けます。
xdistc は、xprtld デーモンが実行中の Management Server ホストからのみ実行できます。xdistc を実行するには、root としてログオンする必要があります。
オプション
- --push localfileremotefile
ファイルを複数の管理対象ホストにコピーします。シンボリック名 $TMPDIR、$VARDIR、$TMPFILE は、宛先ファイルパスとして使うことができます。通常、 $TMPDIR は
/tmp
ディレクトリを指していますが、Windows の管理対象ホストによって異なる場合があります。$VARDIR は/VRTSsfmh/var
ディレクトリを指します。使う場合は、シンボリック名の後にファイル名を付加します。たとえば、$TMPDIR/myfile.txt
、$VARDIR/myfile2.txt
などです。$TMPFILE は、/tmp
内の他のファイルと競合しないように、一時ファイル名を作成します。これは --run オプションで使用できます。コピー先としては、いくつかの特定のディレクトリのみを指定できます。
コピーするときに既存のファイルを上書きするには、--force オプションを使います。
- --run --command arg1arg2..
複数の管理対象ホストでコマンドを実行します。この形式では、各コピー先ホストでホワイトリストに登録されたコマンドの 1 つが使われます。2 つのハイフンの後の引数は、コマンドに直接渡されます。--id オプションを使って要求 ID を指定できます。要求 ID を指定しない場合は、ランダム ID が内部で作成されます。
- --push localfileremotefile --run --command arg1arg2..
ファイルをコピーし、複数のホストでコマンドを同時に実行する場合に使われます。このオプションは、実行可能ファイルを複数の管理対象ホストにコピーしてから実行するときに使用します。
- --results
実行要求から stdout および stderr 結果を取得します。実行されたコマンドの結果を表示するときは、--run オプション付きでこのオプションを指定できます。--run オプションなしで --results オプションを使う場合は、要求 ID を指定する必要があります。xdistc スクリプトが結果を取得するまで待機する時間を指定する場合は、--wait オプションを使うことができます。
- --os osname
オペレーティングシステムを指定します。xdistc で指定したタスクは、指定されたオペレーティングシステムが実行されている管理対象ホストで実行されます。osname は、SunOS、Linux、HP-UX、AIX、または Windows として指定する必要があります。複数のオペレーティングシステムを指定することもできます。たとえば、AIX と Linux を指定するには、'/AIX|Linux/' (一重引用符を含む) を使います。
- --cpu cputype
プロセッサを指定します。xdistc で指定したタスクは、指定したプロセッサを持つ管理対象ホストで実行されます。cputype は、sparc、x86_64、powerpc、x86、x64、i386、または i686 として指定する必要があります。
- --host hostname
ホストを指定します。xdistc で指定したタスクは、指定したホストで実行されます。複数のホストを指定するために、このオプションを複数回指定できます。
- --hostfile filename
管理対象ホストの名前が含まれているファイルを指定します。ファイルは空白で区切る必要があります。xdistc で指定したタスクは、ファイルに指定されている管理対象ホストで実行されます。
- --when spec
管理対象ホストの状態を指定します。spec に設定可能な値は、「now」、「up」、または「now,up」です。「now」を指定すると、xdistc で指定したタスクはすでに起動されている管理対象ホストで実行されます。「up」を指定すると、xdistc で指定したタスクは、起動または再起動されている管理対象ホスト、または中央管理されたドメインに追加されている管理対象ホストで実行されます。spec のデフォルト値は「now,up」です。
- --id requestid
要求 ID を指定します。--push オプションまたは -run オプションとともに --id オプションを使用して、要求 ID を割り当てることができます。また、 --resultsオプションと併用した場合の出力も収集します。指定しない場合、ID は内部的に生成されます。
- --ttl timespec
xdistc が要求と要求の出力結果を保持する時間を指定します。xdistc が管理対象ホストに要求の送信を試みる時間を指定できます。timespec の値には、日数、時間、または分単位で指定できます。たとえば、xdistc が 1 日分の要求と出力結果を保持するように指定する場合は、1d、24h、または 1440m を使うことができます。d は日、h は時、m は分を表します。timespec には、「complete」または「forever」も指定できます。timespec を「complete」と指定すると、xdistc は指定されたホストでタスクを実行した後、要求を削除します。「forever」を指定すると、要求は自動的には削除されません。
- --wait seconds
xdistc スクリプトが結果を取得するまで待機する時間を指定する場合に、--results オプションで使います。時間を秒単位で指定する必要があります。デフォルト値は 0 秒で、この場合 xdistc スクリプトは結果を永久に待機します。
- --force
ファイルを管理対象ホストにコピーするときに、既存のファイルを上書きするように指定します。
- --delete
--run オプションで指定したコマンドが完了した後に、コピーされたファイルを管理対象ホストから削除するように指定します。--delete オプションは、--push オプションおよび --run オプションが一緒に使われる場合にのみ使われます。
- --permission p
管理対象ホストにコピーされるファイルに対するアクセス権を指定します。アクセス権は 8 進数として指定できます。たとえば、500、または 444 です。
- --whitename name
ファイルがコピーされた後、後で実行するためにホワイトリストに入れることを指定します。
- --user username
タスクが各管理対象ホストで xdistc から実行されるときに使うユーザー名を指定します。デフォルトのユーザー名は vxss:///sfm_admin// です。
- --uri uri
呼び出す URI をそのまま指定します。これは、--push オプションと --run オプションの上に指定する低レベルインターフェースとして、任意の URL を呼び出すために使われます。
- --d option=value
xdistc からリモート URL にフォームデータとして追加で渡す値を指定します。
注意事項
xdistc のデフォルトの場所は /opt/VRTSsfmh/bin/xdistc
です。
xdistc のデフォルトログファイルは /var/opt/VRTSsfmh/logs/xdist.log
です。
Windows ベースの Management Server は、xdistc コマンドをサポートしていません。
例
このセクションでは、xdistc の使用例を示します。
例 1:
script.sh
ファイルをすべての Linux 管理対象ホストにコピーする場合は、これを実行して結果を表示します。ファイルは実行後に管理対象ホストから削除されます。要求は 1 日間、Management Server 上でアクティブなままでいます。このコマンドはこの期間中にドメインに参加する新しいホストに送信され、要求が Management Server 上で自動的にクリーンアップされるまでは結果を収集できます。
xdistc --ttl 1d --os Linux --push script.sh /tmp/remote.sh --run --delete --results
例 2:
/root/script.sh
ファイルをすべての管理対象ホストにコピーする場合は、アクセス権を設定してホワイトリストに登録します。要求は 1 日間、Management Server 上でアクティブなままでいます。このコマンドはこの期間中にドメインに参加する新しいホストに送信され、要求が Management Server 上で自動的にクリーンアップされるまでは結果を収集できます。
xdistc --ttl 1d --push /root/script.sh /var/opt/VRTSsfmh/script99.sh --permission 755 --whitename script99
例 3:
ホワイトリストに登録された script99 コマンドを引数付きで実行する場合。要求は 1 日間、Management Server 上でアクティブなままでいます。このコマンドはこの期間中にドメインに参加する新しいホストに送信され、要求が Management Server 上で自動的にクリーンアップされるまでは結果を収集できます。
xdistc --ttl 1d --run -- script99 arg1 arg2
例 4:
ホワイトリストと低レベル URI インターフェースを使って script99 を実行する場合。要求は 1 日間、Management Server 上でアクティブなままでいます。このコマンドはこの期間中にドメインに参加する新しいホストに送信され、要求が Management Server 上で自動的にクリーンアップされるまでは結果を収集できます。
xdistc --ttl 1d --uri admin/whitelist.pl/run --d argv=["script99","arg1","arg2"]