Veritas InfoScale™ 8.0 インストールガイド - Solaris
- 第 I 部 計画および準備
- Veritas InfoScale の概要
- Veritas InfoScale のライセンス
- システム必要条件
- インストール準備
- プライベートネットワークの設定
- 共有ストレージの設定
- SF Oracle RAC と SF Sybase CE のシステムのインストール手順の計画
- 第 II 部 Veritas InfoScale のインストール
- 第 III 部 Veritas InfoScale のアンインストール
- インストーラの使用による Veritas InfoScale のアンインストール
- 応答ファイルの使用による Veritas InfoScale のアンインストール
- 第 IV 部 インストールの参考情報
Oracle RAC 用のプライベートネットワーク設定の計画
Oracle RAC では、Oracle Clusterware ハートビート用に少なくとも 1 つのプライベート IP アドレスが各ノードに必要です。
Oracle 以降のバージョンでは、データベース Cache Fusion トラフィックに必ず UDP IPC を使います。
Cache Fusion トラフィックの負荷分散には複数の専用の相互接続を使うことをお勧めします。
メモ:
同じ物理ネットワーク上にあるすべてのノードのプライベート IP アドレスが、同じ IP サブネットにある必要があります。
次の方法により、耐障害性に優れたプライベートネットワークの設定を行えます。
データ破損を防ぐために LLT リンク経由の Oracle Clusterware 相互接続を設定します。
Veritas InfoScale クラスタでは、Oracle Clusterware ハートビートリンクを LLT リンクとして設定する必要があります。Oracle Clusterware と LLT が通信用に異なるリンクを使用する場合、VCS と Oracle Clusterware 間でのメンバーシップ変更は正しく調整されません。たとえば、Oracle Clusterware リンクが停止した場合、CVM および CFS がノード障害を検出する前であっても、Oracle Clusterware は css-misscount 間隔の経過後 1 つのノードセットを終了し、Oracle Clusterware およびデータベースリカバリを開始します。このような未調整のリカバリはデータの破損を引き起こす場合があります。
Oracle Clusterware 相互接続を NIC 障害やリンク障害から保護する必要があります。Oracle RAC 11.2.0.1 バージョンでは、複数のリンクが利用可能である場合に、PrivNIC または MultiPrivNIC エージェントを使って NIC 障害やリンク障害から保護できます。結合された NIC という形のリンク集約ソリューションが実装されている場合でも、PrivNIC または MultiPrivNIC エージェントを使って利用可能な代替リンクにフェールオーバーすることによって、集約リンクの障害に対する保護を強化できます。これらの代替リンクは、単純な NIC インターフェースであっても、結合された NIC であっても構いません。
もう 1 つのオプションは、結合された NIC インターフェース経由の Oracle Clusterware 相互接続を設定することです。
Oracle RAC プライベートネットワークのための高可用性ソリューションを参照してください。
メモ:
PrivNIC と MultiPrivNIC エージェントは、クラスタの相互接続の管理について、Oracle RAC 11.2.0.2 以降のバージョンではサポートされません。
11.2.0.2 以降のバージョンでは、結合された NIC インターフェースや Oracle HAIP (High Availability IP) などの代替ソリューションの使用をお勧めします。
プライベートネットワークを介して発生するように Oracle Cache Fusion トラフィックを設定します。すべての UDP Cache Fusion リンクを LLT リンクにすることもお勧めします。
Oracle RAC 11.2.0.1 バージョンでは、オペレーティングシステムの制限によって NIC 結合を使えない場合に、PrivNIC エージェントと MultiPrivNIC エージェントが提供する信頼性の高い代替方法により、複数のネットワークインターフェースを使って高可用性と帯域幅の拡大を実現できます。NIC またはリンクにエラーが起きた場合、エージェントはエラーが発生したリンクから接続済みの (利用可能な) LLT リンクにプライベート IP アドレスをフェールオーバーします。帯域幅を拡大するためにデータベース Cache Fusion に複数のリンクを使用するには、データベースインスタンスごとに複数の IP アドレスを cluster_interconnects 初期化パラメータに設定し、これらの IP アドレスを MultiPrivNIC の下に設定して高可用性を確保します。
Oracle データベースクライアントは、データベースサービスにパブリックネットワークを使用します。ノードまたはネットワークに障害が発生すると、クライアントは既存の接続と新しい接続の両方を、接続可能なクラスタ内の障害が発生していないノードにフェールオーバーします。クライアントのフェールオーバーは、Oracle Fast Application Notification、VIP フェールオーバー、クライアント接続 TCP タイムアウトの結果として発生します。Oracle Cache Fusion トラフィックをパブリックネットワーク経由で送信しないことを強くお勧めします。
パブリックリンクに障害が発生した場合に Oracle RAC が仮想 IP アドレスをフェールオーバーできるように、NIC 結合を使ってパブリックネットワークに冗長性を確保します。