Dynamic Multi-Pathing 8.0.2 管理者ガイド - Linux
- DMP について
- ネイティブデバイス管理のための DMP の設定
- Oracle Automatic Storage Management (ASM)での Dynamic Multi-Pathing (DMP)デバイスの使用
- DMP の管理
- vxdmpadm ユーティリティを使った DMP の管理
- I/O 統計情報の収集と表示
- I/O ポリシーの指定
- ディスクの管理
- 新しく追加されたディスクデバイスの検出と設定
- ディスクの検出とディスクアレイの動的な追加について
- デバイス検出層の管理方法
- ディスクデバイスの名前の付け方の変更
- デバイスの動的再構成
- イベント監視
- 処理効率の監視とチューニング
- 付録 A. DMP のトラブルシューティング
- 付録 B. 参照先
FPIN (Fabric Performance Impact Notification) イベントの処理
DMP は、IO パフォーマンスの低下を避けるために、スイッチレベルの FPIN (Fabric Performance Impact Notification) イベントを処理します。場合によっては、ファブリックのリンクエラーまたは輻輳イベントが原因でストレージサブシステムの IO パフォーマンスが低下します。ストレージサブシステムを管理するマルチパスソリューションには、影響を受けるパスの使用を避け、IO を実行するための代替パスを選択する機能があります。
このようなパフォーマンス低下シナリオを軽減するために、ファブリックベンダーは各パスのファブリック固有の通知を受信する機能を提供します。ファブリック固有の通知を取得するには、ホスト (エンドデバイス) をファブリックに登録する必要があります。登録後、ホストは、FPIN (Fabric Performance Impact Notification) と呼ばれる ELS (Fibre Channel Extended Link Service) 機能を介してこれらのイベントを受信します。マルチパスソリューションでは、これらのイベントを使用してエラー状態を評価し、必要に応じて代替パスを使用できます。
DMP イベントソースデーモン (vxesd
) は、netlink ソケットを介してファブリックイベントに対する応答準備を行い、ファブリックパフォーマンス通知イベントに応答します。vxesd
デーモンは、FPIN イベントを分析して影響を受けるパスを特定し、リンクまたは輻輳イベントが収まるまでそのパスの使用を回避します。このようにして、デーモンは IO スループットの低下を防ぎます。このようなイベントが原因で引き起こされるパフォーマンスの急激な低下は回避されます。リンクまたは輻輳が収まった後、影響を受けるパスが再び IO に使用されます。
vxesd
デーモンは FPIN イベントを監視し、リンク整合性イベントを受信すると、パスをスタンバイパスとしてマーク付けします。パスがスタンバイ状態としてマーク付けされると、そのスタンバイパスがデバイスへの最終パスである場合を除き、DMP は新しい IO をそのパスに送信しません。DMP は、スタンバイパスの使用を避けることにより、そのイベントによるパフォーマンスへの影響を軽減します。リンク状態が解決されると、DMP はスタンバイパスをアクティブ状態に移し、そのパスでの IO を再開します。
メモ:
FPIN イベント監視機能は、SRDF 構成または VPLEX Metro 構成では機能しません。Veritas では、このような構成の場合に、この機能を無効にすることを推奨します。
DMP のチューニングパラメータ dmp_monitor_fpin_event
は FPIN 監視機能の状態を追跡します。このチューニングパラメータはデフォルトで無効になっています。
FPIN 監視機能の現在の状態を表示するには、次のコマンドを使用します。
# vxdmpadm gettune dmp_monitor_fpin_event
FPIN 監視機能を有効にするには、次のコマンドを使用します。
# vxdmpadm settune dmp_monitor_fpin_event=on
FPIN 監視機能を無効にするには、次のコマンドを使用します。
# vxdmpadm settune dmp_monitor_fpin_event=off
チューニングパラメータの値は、再起動の前後で変化しません。