VMware のトランスポートモード: ベストプラクティスとトラブルシューティング

記事: 100041035
最終公開日: 2023-10-10
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製品: Backup Exec, NetBackup

問題

VMware バックアップホストは、データストアの仮想マシンデータに 4 種類の方法 (SAN、LAN (NBD)、HotAdd、NBDSSL) でアクセスすることができます。これらの方法は、VMware のトランスポートモードと呼ばれます。 この記事では、これらのトランスポートモード、関連するベストプラクティス、そして NetBackup および Backup Exec でトランスポートモードに関連して発生することが多いエラーに関するトラブルシューティングのヒントについて説明します。

解決策

NetBackup と Backup Exec でバックアップおよびリストアを実行する場合、4 つのトランスポートモードのいずれかを使用したり、これらのモードを組み合わせたりして実行することができます。トランスポートモードを組み合わせて実行する場合、NetBackup および Backup Exec は、仮想マシンのデータへのアクセスが成功するまでそれらすべてのモードを 1 つずつ試行します。

各トランスポートモードについての詳細

1. SAN: SAN トランスポートモードでは、VMware バックアップホストが物理マシンに存在しており、アクセス対象の仮想ディスクが含まれているファイバーチャネルまたは iSCSI SAN にアクセスできる必要があります。実動の ESX/ESXi ホスト経由でデータを転送する必要がないことから、これは効率的なデータパスです。

このモードでは、vStorage API が vCenter サーバーまたは ESX/ESXi ホストから VMFS LUN のレイアウトに関する情報を取得し、その情報を使用して VMDK が存在している SAN または iSCSI LUN からデータを直接読み取ります。

SAN に関するベストプラクティス:

  • SAN を使用する場合は、データストアの LUN が VMware バックアップホストにアクセス可能であることを確認してください。
  • SAN トランスポートは通常、物理マシンの VMware バックアップホストでバックアップを実行する場合、最適な選択肢となります。ただし、仮想マシン内ではこれを行うことができないため、仮想の VMware バックアップホストでは代わりに HotAdd を使用してください。
  • SAN トランスポートは必ずしもリストアに最適な選択肢ではありません。SAN トランスポートはシックディスクでは最も優れたパフォーマンスを実現しますが、vStorage API の動作が原因で、シンディスクでのパフォーマンスは最低になります。シンディスクでのリストアの場合は、LAN (NBD) の方が高速です。
  • SAN のリストアの場合、ディスクサイズは基になる VMFS ブロックサイズを乗算したものにしてください。そのようにしない場合、ディスクの最後のフラクションへの書き込みが失敗します。たとえば、仮想ディスクに 1 MB のブロックサイズがあり、データストアのサイズが 16.3 MB であった場合、最後の 0.3 MB への書き込みが行われません。この場合の回避策は、このような仮想マシンのリストアに NBD を使用することです。
  • Windows Server 2008/2008 R2 VMware バックアップホストで SAN トランスポートまたは HotAdd モードを使用する場合は、必ず以下のように設定してください。
    •  SAN のポリシーを「onlineAll」に設定
    •  SAN ディスクを読み取り専用に設定 (リストア時を除く)

2. LAN (NBD): このモードでは、ESX/ESXi ホストはストレージからデータを読み取り、そのデータをネットワーク経由で VMware バックアップホストへと送信します。その名前が示すとおり、SAN トランスポートと異なり、このトランスポートモードは LAN フリーではありません。

LAN トランスポートには以下の利点があります。

  • ESX/ESXi ホストは、ローカルストレージや NAS など、任意のストレージデバイスを使用できます。
  • VMware バックアップサーバーを仮想マシンにできるため、VMware vSphere のリソースプールやスケジューリング機能を使用して、バックアップによるパフォーマンスへの影響を最小限にすることができます。たとえば、VMware バックアップホストを、実働の ESX/ESXi ホストとは別のリソースプールに配置し、バックアップの優先度を低くすることができます。
  • ESX/ESXi ホストおよび VMware バックアップホストがプライベートネットワーク上にある場合は、暗号化されていないデータ転送を使用できます。この転送は、NBDSSL に比べて高速で、かつ消費するリソースも少量です。機密情報を保護しなければならない場合は、NBDSSL を使用して、仮想マシンデータを暗号化された形式で転送することを選択できます。

 LAN を使用する場合のベストプラクティス:

  • この場合、データは ESX/ESXi サーバーによってストレージから読み取られ、次に VMware バックアップホストに送信されるため、ESX/ESXi サーバーと VMware バックアップホストの間にはネットワーク接続が必要です。VMware バックアップホストが vCenter サーバーに接続されているが、ESX/ESXi サーバーには接続されていない場合、スナップショットは成功しますが、vmdk の読み取り/書き込み操作は失敗します。
  • バックアップ/リストアのために NBD/NBDSSL を使用する場合、VMware バックアップホストは ESX/ESXi ホストの TCP ポート 902 に接続できる必要があります。
  • VMware は NBD トランスポートモードの場合、NFC (ネットワークファイルコピー) プロトコルを使用して VMDK を読み取ります。バックアップ対象の VMDK ファイルごとに、1 つの NFC 接続が必要です。ESX/vCenter サーバーごとに作成できる NFC 接続数には制限があります。これらの制限は vSphere のバージョンに応じて異なるため、『NetBackup for VMware 管理者ガイド』(下記にリンク) で確認してください。この制限に達した場合、NBD を使用したバックアップまたはリストア操作はハングする可能性があります。

3. HotAdd: 仮想マシンで VMware バックアップホストを実行する場合、vStorage API は ESX/ESXi サーバーの SCSI HotAdd 機能を利用して、バックアップ対象の仮想マシンの VMDK を VMware バックアップホストに接続することができます。これは HotAdd トランスポートモードと呼ばれます。

仮想マシンで VMware バックアップサーバーを実行することには、2 つの利点があります。仮想マシンを移動するのが簡単であること、そして LAN を使用せずにローカルストレージをバックアップできることです。ただし、これは、SAN トランスポートを使用する場合よりも、物理 ESX/ESXi ホストのオーバーヘッドが増える原因になります。

HotAdd を使用する場合のベストプラクティス:

  • HotAdd は SCSI ディスクがある仮想マシンのみで機能し、IDE ディスクがある仮想マシンのバックアップに対してはサポートされません。
  • 1 つの SCSI コントローラには最大で 15 台のディスクを接続できます。ディスクの合計が 15 台を超える複数のジョブを同時に実行するには、HotAdd ホストにさらに SCSI コントローラを追加する必要があります。4 つの SCSI コント ローラーの最大数は、60 デバイスの合計は最大でサポート対象ようにホットアドのホストを追加できます。
  • HotAdd では、VMware バックアップホストが、バックアップ対象の仮想マシンが存在するデータストアにアクセスできる必要があります。つまり、以下を意味します。
    • VMware バックアップホストが実行されている ESX は、バックアップ対象の仮想マシンが存在するデータストアにアクセスできる必要があります。 
    • VMware バックアップホストとバックアップ対象の仮想マシンは、同じデータセンターになければなりません。
  • ターゲットとなる仮想マシンの仮想マシンフォルダが含まれているデータストアの VMFS ブロックサイズと VMware バックアップホストの仮想マシンが含まれているデータストアの VMFS ブロックサイズが一致しない場合は HotAdd を使用できません。たとえば、ブロックが 1 MB であるデータストアの仮想ディスクをバックアップする場合、VMware バックアップホストもブロックが 1 MB のデータストアになければなりません。
  • Windows Server 2008 プロキシで HotAdd を使用したリストアを行う場合は、SAN のポリシーを「onlineAll」に設定する必要があります。
  • 仮想マシンのバックアップに HotAdd を使用するために物理マシンを仮想マシンに変換する場合は、変換プロセスで使用されるどのディスクに対しても IDE コントローラを使用しないでください。
  • バックアップ/リストアに HotAdd を使用する場合、VMware バックアップホストは ESX/ESXi ホストの TCP ポート 902 に接続できる必要があります。

4. NBDSSL: NBDSSL については NBD と同様ですが、NBDSSL では、TCP/IP 接続経由で渡されるすべてのデータを SSL で暗号化する点が異なります。

一般的なトランスポートモード関連の障害に関するトラブルシューティング

アクティビティモニターで、バックアップ/リストアがステータス 6、ステータス 13、またはステータス 11 で失敗し、以下の説明がある場合は、トランスポートモードに関する何らかの問題が発生している可能性があります。

  • 「ERR - 指定されたトランスポートモードを使用したスナップショットディスクのオープン中にエラーが発生しました: ステータス 23」は、指定されたトランスポートモードを使用して vmdk へアクセスしているときに何らかの問題が発生したことを示しています。

    このようなエラーへの対応に関するヒントは以下のとおりです。
    • NBD を使用している場合は、VMware バックアップホストが仮想マシンをホストしている ESX サーバーに接続していることを確認してください。
    • SAN を使用している場合は、データストアの LUN が VMware バックアップホストにアクセス可能であることを確認してください。
    • HotAdd を使用している場合は、使用しているバックアップホストが仮想マシンであり、以下の条件を満たしていることを確認してください。
      • VM に IDE ディスクが含まれていない。
      • バックアップホスト VM に十分な SCSI コントローラが接続されていることが確認されている。
      • バックアップホスト VM が、バックアップ対象の VM が存在しているデータストアにアクセスできる。
      • バックアップホスト VM およびバックアップ対象の VM が同じデータセンターに存在する。
      • 以前のバックアップが失敗しており、バックアップホストに接続されたバックアップ VM のディスクの一部が残されている場合、これらのディスクを次のバックアップを試行する前に手動で削除している。
    • vCenter のデフォルト以外のポートを使用する場合、vCenter のクレデンシャルを NetBackup または Backup Exec に追加する際に、そのポートを定義する必要があります。
    • NBD/NBDSSL/HotAdd を使用している場合は、VMware バックアップホストが VM をホストしている ESX サーバーのポート 902 と通信できることを確認してください。
  • 「ファイルの読み込みに失敗しました」は、指定されたトランスポートモードを使用した VMDK の読み取りで問題が発生している可能性を示しています。
  • 「ファイルの書き込みに失敗しました」は、指定されたトランスポートモードを使用した VMDK への書き込みで問題が発生している可能性を示しています。
    • リストアに SAN を使用している場合は、データストアの LUN が VMware バックアップホストにアクセス可能であり、オンライン状態であることを確認してください。
    • リストアに HotAdd を使用している場合は、バックアップホストの SAN ポリシーが「OnlineAll」に設定されていることを確認してください。
    • リストアに SAN を使用している場合は、VMDK のサイズがデータストアのブロックサイズを乗算したものであることを確認してください。そのようにしないと、最後のブロックの書き込みが失敗します。この場合、回避策はリストアに NBD を使用することです。
    • NetBackup または Backup Exec で設定されているユーザーに対して vSphere にログオンするのに必要な権限を割り当てていることを確認してください。

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