問題
従来の物理環境でサポートされているすべての Backup Exec の設定が、あらゆる仮想環境においても無条件でサポートされることが理想的です。それがベリタスの目標ではありますが、常に可能であるとは限りません。このドキュメントでは、Backup Exec のサポートに関する情報、仮想環境における制限事項の説明、関連する記事へのリンクを提供します。
解決方法
用語
このドキュメントでは、次の用語が使用されています。
用語 | 定義 |
---|---|
ゲストオペレーティングシステム | 仮想マシンにインストールされているオペレーティングシステムです。 |
ハイパーバイザ | 1 つ以上の仮想マシンをホストする物理サーバーで実行されている、ソフトウェアのプラットフォームです。 |
仮想マシン (VM) | ハイパーバイザ内の単一の物理マシンのエミュレーションです。 |
サポートに関する一般的なガイドライン
ベリタスは、仮想環境における Backup Exec のサポートを提供します。このドキュメントでは、「仮想環境」をオンサイト、オフサイト、パブリッククラウド IaaS の仮想化ソリューションとして定義しています。これらの仮想環境では、サポートされているゲストオペレーティングシステムに Backup Exec をインストールできます。
Backup Exec には、次のように仮想化プラットフォーム向けのオープンサポートポリシーがあります。
- Backup Exec では、物理的な構成が条件として考慮されます。
- 同じ構成を仮想化できる場合は、仮想化プラットフォームに関する明確な条件がなくても (このドキュメントに特に規定がない限り) サポートされます。
公開されている Backup Exec のソフトウェアとハードウェアの互換性リストには、このサポートポリシーが反映されています。ハードウェアとソフトウェア両方の互換性に対応するバージョン固有のリンクを、以下から入手できます。
http://www.veritas.com/docs/100040087
仮想環境における Backup Exec サポートの次の制限事項に注意してください。
- Backup Exec の互換性リストで公開されているハードウェアまたはソフトウェアのサポートは、ハードウェア/ソフトウェアのベンダーおよびハイパーバイザベンダーによる相互サポートを条件としています。具体的には次のとおりです。
- ハードウェア/ソフトウェアのベンダーは、ハイパーバイザ内で自社の製品をサポートする必要があります。
- ハイパーバイザベンダーは、ハイパーバイザ内でハードウェア/ソフトウェア製品の使用をサポートする必要があります。
- このようなハードウェア/ソフトウェア製品には、オペレーティングシステム、クラスタサーバー、周辺機器、ドライバ、パッチ、データベース、アプリケーションなどが含まれます。
- Backup Exec を仮想マシン内で実行する場合、標準の認定に存在しなかった条件 (共有リソースの競合やその他の中断など) がハイパーバイザに発生する場合があります。その結果として生じる遅延、再試行、タイムアウトといった条件に対処するために、追加のチューニングと設定が必要になる場合があります。チューニングと構成のヒントについては、まずハイパーバイザベンダーに問い合わせてください。
- 仮想化されている場合、Backup Exec ではパフォーマンスの低下が生じることがあります。パフォーマンスの問題に対処するために、場合によってはシステムリソースを増やす必要があります。
- システムリソースを増やす方法の詳細については、次を参照してください。
- ハイパーバイザベンダーのインターフェースを使用した Backup Exec の実行の一時停止、再開、中断は、サポートされていません。Backup Exec の操作やデータへの影響は不明です。Backup Exec の制御でサポートされているのは、Backup Exec の管理インターフェースだけです。
- VM 高可用性、レプリケーション、転送ソリューションでの Backup Exec の使用は、ベリタスによってサポートされていますが、認定はされていません。このようなソリューションの例としては、vSphere HA、ホストベースのレプリケーション、vMotion、Storage vMotion (ただし、VMware に限定されない) があります。仮想化アプリケーションとして、Backup Exec は VM に配備されていることを認識しません。また、このような操作のサポートはハイパーバイザベンダーによって提供されます。
- 仮想化サーバー内から物理ハードウェア (バックアップ対象のデバイスとして) へのアクセスを提供するパススルー設定 (SCSI、FC、USB など) は、Backup Exec で公式にはサポートされていません (設定すると、バックアップと復元の操作に影響する接続性やパフォーマンスの問題が生じる可能性があります)。
- サポートケースが必要な場合は、Backup Exec のテクニカルサポートをご利用ください。仮想環境内で問題を解決するためのあらゆる合理的な試みが行われます。使用されている設定が「代替サポート」条件に該当する場合もあります。したがって、完全にサポートされている環境で問題が再現可能でなければなりません。ハイパーバイザ環境内で予想外の非互換性が確認されることがまれにあります。このような非互換性に対して、ベリタスは Backup Exec の設定の明示的なサポートを認定、制限、除外、停止する権利を留保します。ハイパーバイザの操作が原因で Backup Exec の障害が発生することがまれにあります。この場合、バックアップからのリカバリが必要になることがあります。
仮想 Backup Exec 集中管理サーバー (CAS)
Backup Exec 集中管理サーバー (CAS) は、このドキュメントの「サポートに関する一般的なガイドライン」のセクションで説明する制限に基づいて仮想マシン内でサポートされます。
サポート対象の Backup Exec Central Administration Server Feature (別名 CASO) 設定については、Backup Exec のソフトウェア互換性リストを参照してください。
仮想 Backup Exec サーバー
Backup Exec サーバーは、このドキュメントの「サポートに関する一般的なガイドライン」のセクションで説明する制限に基づいて仮想マシン内でサポートされます。
仮想マシン内では、次のストレージユニットがサポートされています。
- バックアップ先ディスク (仮想ディスク、接続した iSCSI、接続した CIFS 内)
- ローカル重複排除用ストレージデバイス
- OpenStorage (OST) (データインターフェースがイーサネットの場合)
- iSCSI 接続のテープドライブ/ライブラリおよび Virtual Tape Library (VTL)
ストレージデバイスの互換性の詳細については、以下のリンクをクリックしてバージョン固有の Backup Exec のハードウェア互換性リストを参照してください。
http://www.veritas.com/docs/100040087
Backup Exec が Hyper-V 仮想マシンにインストールされている場合は、Backup Exec サーバー (それ自体) のバックアップに Agent for VMware and Hyper-V を使用できません。この設定で Backup Exec サーバーを適切に保護するには、このサーバーを物理マシンと同じようにバックアップする必要があります。